175人が本棚に入れています
本棚に追加
―1時間後。
蓋をしたような灰色がかった雲からは土砂降りの雨が降っていた。
「oh,Shit! I did’nt umbrella oday!」
(チッ、降ってきやがった!傘持ってきてないってのに)
芸能コンサルタントのリアム・ウィルソンが雨を見て悪態をついた。
「it is heavey rain…」
(ひどい雨ですね…)
事務弁護士のアシュトン・モリスの呟きに、飲食店経営者のイブラヒム・パテールが頷いた。
上条智樹は腕時計を一瞥すると、窓に目をやった。
バウアーと一緒に部屋を出て行ったCHIKAと彩は戻ってこない。
しばらくすると部屋の温度が急に変わり、3人の顔色に変化が現れ始めた。
「‘ey, ‘is room bloody ‘ umid, is’n’ i?」
(しっかし、この部屋くっそ暑くねえか?)
そう言ったのはウィルソンだ。開襟シャツのボタンを三つ目まで開けている。
「Sure…」
(確かに…)
モリスもカバンからハンカチを取り出すと、汗を拭いた。
「Humid…」
(蒸し暑い…)
パテール氏は、シャツを仰いだ。
「I wan’ drink Wa’er」
乾くような部屋の温度に思わずそう呟き、残りの二人もつられて頷く。
それを聞いた上条智樹が唇の端を上げた。
「OK。もういいぞ」
その合図と同時に、空調の温度が爽やかなものに変わった。直後、バウアー、
彩、CHIKAが部屋に入室してきた。3人の男たちは戸惑った様子で入室してき
た3人を順番に見つめた。
最初のコメントを投稿しよう!