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恋×花+?=花姫
小さい頃、お母さんが寝る前に読んでくれる絵本が好きだった。
『花姫』という花から生まれたお姫さまの物語。
醜いヒキガエルやコガネムシに拐われて、花姫はお金持ちのモグラと結婚させられることになりました。
でも、モグラはきれいな花とおひさまが大嫌い。
ずっと暗闇で暮らさなくてはならないと知った花姫は、毎晩泣きました。
そんなとき、冬に助けたツバメに花の国へ連れられて、花の妖精である王子さまと出会うのです。
どこへでも飛んでいける羽根をプレゼントされた花姫は、王子さまと結婚して幸せにくらしました。
可愛らしくて、誰からも愛されている花姫は憧れだった。
花姫みたいに素敵な人と出会って、誰かを好きになって。中学生になったら、花が咲く日が当たり前に来ると思っていたの。
でも、現実は理想からほど遠くて。思い描いていた十三歳より、ずっとずっと子どものまま。
恋を知らない私は人と違うと笑われて、みんなから置いてけぼり。
ねえ、花姫。いつか出会えるかな?
王子さまみたいな人と。
こんな私でも、なれるかな?
ーー誰かの特別な存在に。
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