最愛の人を失ってから十年経って気づく真実

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 魔法には自然魔法と神聖魔法の二種類がある。大雑把に神の奇跡とそれ以外をまとめたのが分類で、自然魔法にも神聖魔法にも仕分けは幾つかある。自然魔法で治らない以上は、恐らく神聖魔法の分野なのだろうと考えたのは当たり前だった。 「魔力の渦が感じられます、理由までは解りませんが」  アントレナルという魔力に敏感な男が、帝都全体にそういった流れが感じられると進言した。あまりに大きすぎる範囲、それで団長は閃く「結界魔法の一種か?」それならば継続して効果を与え続けることも出来ると仮設を立てた。 「アオゲ、直ぐに帝都を調査しろ、魔法陣が構築されている可能性が高い」 「承知しました。帝都の魔法兵団をお借りしても?」 「許可する。魔道具の持ち出しも好きにしろ、いいか時間を惜しむんだ」  アオゲと呼ばれた青年は頷くとそそくさと医務室を出て行った。帝国の魔法兵団は【アイシクル】【ミラージュ】【ヒートヘイズ】そして【テンペスト】の四つがある。宮廷魔導士団にはそれらに対する指揮権が与えられていた。  もし魔法結界だとしたら、どれだけ巨大なものになるのか、想像するだけで恐ろしかった。そのようなものを見つけたとして、壊しても良いのかどうか判断がつかない。かといってそのままにも出来ないので、考えておかなければならない。 サルディニア帝国・帝都サルディア-2 ◇  深夜の城門前に辿り着いたドロシア、当然城門は閉められていて門番が幾人か立っているだけ。乗り越えるのは一苦労、何せ防御魔法が掛けられているから異物を感じたら弾く仕様になっている。彼女の死後に変えられていなければ、の話ではあるが。
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