一話

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ポケモンセンターの無料宿泊施設で一泊した俺はフスベジムへと向かった。 ランクマッチで更なる高みを目指して。 そしてフスベジムのドアを開けた。 (ん?イブキは誰かと先にバトルしてたのか。ちょっと観戦してみるか。) と思い俺はここから観戦することにしたのだが、 「ありゃ、もう終わってたのか。」 と呟いたその時だった。 イブキが誰かを鍛えていた。 恐らくこの間ワタルが言ってた子なのだろう。 その子はイブキにボコボコにやられていて、 「駄目ね!そんなんじゃいつまで経っても立派なドラゴン使い…いいえ、ポケモンマスターにはなれないわよ!アキ!」 と言われ、アキと呼ばれた二十歳くらいの女性は涙ぐんでおり、その傍らではワタルが腕組みをしながら、眉間にシワを寄せてその様子を見ている。 「この間振りワタル。」 と俺はワタルに近づき軽く声をかけた。 「おお、ミスト!よくフスベに来てくれた!歓迎しよう!」 と、俺達が話しているのをイブキが見て、 「ミストさんじゃないですか!お初お目にかかります!」 と俺に言ってきた。 「堅苦しいから普通にタメ語でいいよ。見た感じ、俺と対して歳も変わらなさそうだし。」 「あ、あの…イブキさん、ワタルさん…。そ、そちらの方は…?」 「えぇ!?アキアンタ、ミストさんを知らないの!?」 「こらこらイブキ。俺から紹介しよう。彼はミストという。ホウエン地方出身で、一度チャンピオンになっていて、チャンピオンズリーグに出場経験のある人だ。恐らくチャンピオンズリーグ出場者で歴代最年少な筈だ。そして彼の親御さんはルイスさんとヴィヴィアンさん。2人の名前くらいは聞いたことくらいはあるだろう?」 と他己紹介された。 「俺がここにきた理由は1つだイブキ。ランクマッチだ。」 「!ミストさんと戦えるのですね!寧ろこちらからお願いします!」 俺はイブキとランクマッチ戦をすることになった。 「アキ、よく見ておけ。この俺を何度も倒した男の実力だ。」 「は、はい!」 「行きなさいキングドラ!」 「(キングドラ、か。レイン君を思い出すな。)キングドラとなると、バトルフィールドは海を模したような水の中になるな。ならコイツだ。ゴー!ドヒドイデ!」 俺はドヒドイデを選択した。 「す、すごい…!圧倒的強者感が、あります。」 「ドヒドイデ、よく鍛えられているだろう?でもミストの絶対的エースではないんだ。」 「え?じ、じゃああの人はイブキさんを嘗めてる…?」 「いや、そうじゃない。イブキは自身のエースのキングドラを出したんだ。そして海を模したフィールドになった。となると、ほぼ必然的に水タイプを選ばざるを得ない状態になった。そして彼はドヒドイデを選択したという事だ。あのドヒドイデ、ミストのポケモンの中でもかなり厄介だぞ。まあ、ミストのポケモンはどれも厄介なんだが、ドヒドイデは群を抜いて厄介だ。いつか戦う時が来るかもしれないから、よく見ておけ…!」 「は、はい!」 そんな感じでドヒドイデvsキングドラの試合が始まった。
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