二話 イッシュ地方へ

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フキヨセシティにて。 アオイが出迎えてくれた。 「久しぶりね、ミスト君!で、そちらの子が?」 「ああ。ワタルの元弟子のアキだ。」 「よ、よろしくお願いします…!」 「よろしくね!じゃあ行こっか!」 そしてアオイの運転する車に乗った俺とアキ。 暫く揺られているとイッシュ地方一の大都会、ヒウンシティの飲食店に着いた。 「ユウキさんには先に個室で待っててもらってるからね!」 と言った。 そしてウェイターにユウキの待つ個室に連れて行かれた。 その個室に入ると、 「君達がミスト君とアキちゃんね。初めまして、私はユウキ。元イッシュチャンピオンよ。よろしくね。アオイちゃんも悪いわね。人気女性タレントをパシリみたいに使っちゃって。」 「いいっていいって!今日はオフだったし、そもそも運転好きだしね!」 と言った。 確かに良さげな車乗ってたな。 ユウキは 「本当、いい友達を持ったわ私。…ミスト君、あなたの噂は聞いているわ。それと、アキちゃん、あなたはワタルさんの御弟子さんね。2人共、会えて嬉しいわ。ワタルさんから電話もらってあなた達の事待ってたの。」 と言う。 そして、アキは過去の事やそれによる二次被害的な物の話しを聞いた後、 「アキちゃん、人もポケモンもね、生きているだけで素晴らしいのよ。だって、私達がこの世界に生まれなかったら、こうして手持ちのポケモン達にだって会えなかったんだから──…なんて、これは私のお祖父ちゃんの受け売りなんだけどね(笑)」 そして続けて、 「実は、私のお祖父ちゃん、“ウコン”という名前でね、ミスト君はもしかしたら知っているかもしれないけど、ホウエン地方にあるバトルフロンティアという場所にあるバトルパレスという所でパレスガーディアンを名乗る実力者なの。…ギーマさんと初めて出会って、そして、命を助けられたあの後、私ね、お祖父ちゃんに会いにホウエンに行ったの。 小さい頃はよく会いに行ってたんだけど、大人になってからはしばらくご無沙汰だったから、お祖父ちゃん元気にしてるか心配だったし、ちょうど良かったんだけどね。そしてね、そんな実力のあるお祖父ちゃんだけどね、ルイスっていうトレーナーにはボコボコにされたって行ってたわ。とても交戦的なポケモン達だったって言ってたわ。」 「あぁ…。あのポケモン達、か苦笑」 「ルイスさんを知ってるの?」 と聞かれた。 「知ってるも何も、俺の親父だぞルイスって。まあもう死んじまってるけどな。体が流星の民の血に耐えられなくなったからとか言ってたけど。」 「そっか…。既にお亡くなりに…。一度でいいから手合わせしてみたかった…。」 「親父のポケモン達は普通に生きてるぞ。何なら実家に皆いるしな。あ、変わりにと言っては何だが、俺と一戦交えるか?1on1でさ。」 と聞いた。 「そうね、それならOKよ!…っと話を戻すわね。それで、その時ね、私、お祖父ちゃんに鍛えてもらったの。私のお祖父ちゃんは“トレーナーはポケモンに指示をしないで、ただ見守る”というバトル法を専門としていてね、私もそうしてお祖父ちゃんとバトルをしたの。でね、その時に分かったの、私のポケモンが考えている事が──…。それがきっかけで、私は自分のポケモンに指示しないで、ただ見守るバトルを主流にして来たのよ。もっと自分のポケモンの事を知るためにね。そして、そのおかげで私、前よりもずっと、バトルに勝てるようになったのよ。」 そして一息ついて、 「それに、私、お祖父ちゃんに鍛えられたその時にね、お祖父ちゃんから言われたの、『人もポケモンもこの世界で生きているだけで素晴らしいんだ。だから、ユウキ、これからも旅をしなさい。そうして様々な生き方をしている人とポケモンに出会うんだ。そしたら、自ずと見えてくるはずだ、この世界での己の役割、即ち、自分の使命というものがな。』って…。私はお祖父ちゃんから大切な事を学んだような気がしたわ。…長くなっちゃってゴメンなさいね。さ、何か食べよ!ここのお店、有名人がお忍びで来るお店なんだよ!アオイちゃんもここの常連さんなのよ。」 と言った。
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