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「それにしても俺はどの部屋に泊まるんだろ…?」
「ブラ…?」
「まあ、その辺探索するかな。」
俺は船内を探索し始めた。
すると
テケテンテンテンテン。
俺のiPhoneに電話がかかってきた。
「もしもし。」
「おうおう!久しいなミスト!俺だよ俺俺!」
「オレオレ詐欺なら切るよ、クロ兄。」
俺の兄でシルフカンパニーの正社員、クロキであった。
「お前も旅に出たんだってな!我が最愛のユリカから聞いたぞ。」
「実の妹を最愛ってクロ兄…。アンタの最愛って家族愛とか兄妹愛とかの類いじゃねえじゃん…。」
「煩え。俺の前世の記憶では俺とユリカは夫婦だったのだ!」
「今時、前世の記憶とか、そんなの信じる奴の方が珍しいよ。あと、それを鬱陶しく思ってるユリカは、ボーイフレンドのレイン君に相談してたぞ。」
と教えてやった。
「なん…だと…!?ユリカに…彼氏…だと!?」
と言ったかと思うと、電話が切れた。
「シスコン兄貴はいったい、何を伝えたかったのだろうか…。」
「ブラァ…。」
俺はブラッキーはため息を吐いた。
すると、
「ん?もしかしてミスト君かい?」
と、声が聞こえた。
その方を振り向くと、赤いツンツン髪でマントを羽織っていて、隣にはカイリューがいるトレーナーがいた。
「ワタルさん。ご無沙汰してます」
そう、カントーのチャンピオンの座に付いているドラゴン使い(ドラゴンタイプじゃないのもいるけど)、ワタルだ。
「どうした?何処となく疲れている感じがするが…、もしかして、またあの兄のことか?」
「まあそんな感じっすね…。」
「シルフカンパニーでの活躍は凄いんだけど、な…。」
「どうも妹の事が絡むとアホと化すんですよ兄貴…。」
と少し愚痴った。
「おっと、そんな事じゃなかった。俺には一応弟子がいてな。アキという女の子だ。バトルのセンスとかは良いんだが、何故か勝率があまり良くないんだ。」
と言ってきた。
「その子の手持ちポケモンは?」
「エーフィ、ヨノワール、フシギバナ、カイリュー、ミロカロス、ライチュウだ。」
「手持ちのバランスは悪くはない…な。てかワタルさん、カイリュー持ってるからそのアキって子を弟子にしたとか言わないで下さいよ。」
と言うとワタルは目を逸らした。
おいおい、マジかよ…。
「ま、まあ、何はともあれ一度会って、バトルをしてもらいたい。そして何が原因なのかも知っておきたい。チャンピオンリーグ出場経験がある君なら何か分かる筈だ。気が向いたらでいい、フスベシティに来てくれ。暫くは俺もフスベシティにいるから。」
と言いカイリューに乗り飛んでいった。
ワタルさん…もしかして、チケットとか無しで勝手に乗ってた…?
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