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胸がぐっと熱くなった気がしたが、きっとそれは、ボタンが押されてモードが変わった事で発生した熱の所為だろう。
「私の首の後ろにある電源ボタンを押してください」
スーツの男性が言う。ねこは、迷いなくその足を進めた。そして彼の背後に回り――その首のボタンを押した。
赤く灯っていたそのボタンが暗くなると、スーツの男性は椅子の上でぐったりとし、二度と動く事はなかった。
ねこはその様子を、未だ熱の残る胸を携えて、ただじっと見つめていた。
――了。
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