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エピローグ
息を引き取ったクールを前に泣き崩れるリーダーとサブを、何者かが背後から襲い、気を失わせた。
二人が目覚めると、クールは消え、クールの流した血の跡もそこにいた痕跡もなくなっていた。
後日、サブが知り合いの警官から聞き出したところによると、クールの一件は、謎の一家惨殺放火事件として、犯人不明のままお蔵入りになるだろうとのことだった。ろくに捜査されていなかったらしい。その警官は腑に落ちない顔をしていたという。
報道機関の発表では、クールの両親は焼死だった。クールについても焼死だった。
「あいつは銃で撃たれて死んだ。そうだろ、サブ」
「ああ」
リーダーの言葉に、サブは頷いた。
いつものように大木に上り、枝に座って街を見下ろしていた。街はいつもと同じだった。
けどいつもとは違う。クールがここにいない。
リーダーとサブの間がひとり分空いているだけで、やけに風がよく抜ける。
「真相、突き止めんだろ」
サブの言葉に、リーダーは頷いた。
「何年かかっても」
「りょーかいっ」
クールの素顔に、もう一度触れるために。
終わり。
そして始まり。
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