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5
俺は最期の力を振り絞るつもりで、大きく息を吸った。
太ももや腹の傷は痛まない。もう頭が痛みを拒否したようだ。
俺の大きな動きに、リーダーとサブがはっとして顔を強張らせた。
俺は目を開け、二人の顔をしっかりと見た。刻み込むように、見た。
ああ、俺、言えるらしい。
そう思ったら、また笑みが浮かんだ。
二人が泣きそうにしている。
俺の目の端に涙が溜まっていく。
俺は笑っていた。
「ありがとう」
初めて、純粋に、感謝だけで言えた。
もう二度と言えない。
けど、構わない。十分だ。
俺を見つけてくれて、ありがとう―。
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