(序)

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(序)

神に恋をするとは、一体どんなものなのだろう。 己が卑しい存在と常に突きつけられる相手に恋をする、それは苦しいが、命を賭けた恋に違いない。 愛らしい若き姫は、国で一番強大な神に恋をした。その荒々しいまでの力ゆえに宮を追われ、祀られる場所を失った流浪の神にふさわしい宮を見つけ、そこに新たに祀ることが姫に課された使命だった。 姫は神に触れ、その力を畏れたが、神を厭わしく思うことはできなかった。むしろますます慕わしく思い、その想いを募らせていったのだった。 これは禍々しいまでに強い呪力を持った巨大な神に一途な想いを捧げた姫と、姫のために心を得た神の恋物語である。
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