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誠志郎は思った。
カスミソウは、どんな個性的な花と合わせても、その花束全体に、いっそうの華やぎと清楚な可憐さを与える。
脇役のようでいて、カスミソウがなければ成り立たない雰囲気というものを持っている。
決して、ただの引き立て役だけではない。
カスミソウがあるだけで、個性的な花たちの間に調和が生まれ、ただ個性がぶつかり合うのでない、全体の美しさが生まれる。
それがカスミソウの個性だと思う。
生まれてくる娘も、いつかそんな人として、社会の中に花ひらいてくれればと、彼は願う。
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