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「芽郁!心って…精神的なこと言われたのか!?」
「……あたし別に、鬱ではないんだけどね。鬱診断もされてないし」
純平はやっぱり抗議してやるよ。そう言って電話を手にしたが、もう夜中だ。
大丈夫
「なにか…他に働けないか探してみるよ」
「他にって教師としてか?」
「それは無理なんじゃない?不健康は入れないから。どんな会社でも健康診断があるでしょ。どーせまた引っかかる」
そう言うと、純平の顔が曇った
「もう夜の仕事はすんなよ」
絶対に。そう念押ししてきた。夜の仕事ね…
「金はあんだろ。お前、山ほど持ってるだろ」
「愛も夢もなくなったから、お金くらい持っててもいいかな?って思うよ」
お前ってやつは…
そう悔しそうに頭を掻いている純平。
愛されない。誰にも必要とされない。夢も消えてしまった。おまけに不健康も追加された。
お金くらい持っててもいいじゃん?
まぁ、そのお金も必要なくなるのかもしれないけど。
誰かに必要とされたくて先生になりたかったのにな。夢も失くしたあたしは、生きていても意味がない。
「最後にきっっついウィスキーをくださいな」
「ダメだ。もう閉店」
「それ飲んだら帰るから」
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