ありふれた殺人

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 それから私の目の前で行われた悪行は口に出すのも恐ろしい。私はあのシリアルキラーの本性を目の当たりにさせられた。  手錠でベッドに括り付けられている私の方にジョエルは全裸にしたマイクの頭部を持っていき、ジョエル自身も衣類を取り払った。 「本当はーー」  ジョエルは前置きをし、床に座ったままの私の前に立つと、彼のペニスを扱き始めた。 「死体相手ならすぐに勃起するのに、こいつは若すぎて俺の好みじゃない。だからダニー。あなたも協力して俺をその気にさせてくれよ。俺たちは共犯者だろう?」  反論するまもなくジョエルは私の口腔に半勃ちになった彼のペニスを挿入し、強引にイラマチオを始めた。  口の中でジョエル自身の質量が大きくなっていく。喉奥を穿たれる不快感に私の目から涙がこぼれた。  ジョエルが低く唸ると彼はそのまま私の口腔に射精した。  私はすぐにでも吐き出したかったが、ジョエルは私の口をダクトテープで塞いだ。ジョエルはテープ越しにキスをして言った。 「ダニー、良かったよ。早くあなたと本物のセックスがしたい。これからやるのはあくまでデモンストレーションだから」  ジョエルのペニスは射精後も再び勃起しており、マイクを犯す凶器になっていた。  ジョエルはマイクをうつぶせにし、彼のアナルに唾を飛ばした。それから長い指を使って穴を拡張していき、自らのモノが収まるサイズまでマイクをいたぶり続けた。  マイクはタイプではないと言いながらもジョエルは心なしか興奮しているように見えた。  ジョエルのペニスがマイクに挿入される瞬間、私は彼にされたことを反射的に思い出し、最奥が疼いた。  ジョエルはマイクをまるでセックスドールのように扱った。窄まりが裂けて血が出ても、鷲掴みにされた腰に爪痕が残ろうとも、すでに事切れてしまったマイクは何も感じない。  私が怒りの目をジョエルに向けると、彼は元来の端正な顔を歪ませるように醜くわらった。 「俺のことを軽蔑しているだろう、ダニー。でもあなたの著書である『213号室の食人鬼』のモデルとなった男よりも、俺はずっと優しくて、スマートで、何よりも愛がわかる男だと思わないかい?」  ジョエルはマイクに挿入したまま、今度はマイクの身体を仰向けに返した。いつものジョエルの手順である。  自然と首が折れたマイクと目が合うようになり、私のジョエルへの怒りはさらに激しさを増した。 「死体になっても中はまだ温かいんだ。少しずつ冷えていきながら俺を締め付ける感覚がたまらない」  ジョエルはマイクの両脚を彼の肩に担ぎ、激しい律動を始めた。マイクの身体がまるで生きているかのようにはねる。  ジョエルはマイクを死姦しながら、その視線は常に私を捉えていた。  私はすぐにでもジョエルに殴りかかってマイクを助けたかったが、鉄の輪に阻まれるばかりで、どうすることもできない。  手首にいくつもの擦り傷を作り終えた頃、ジョエルのお遊びも終演を迎えた。たっぷりとマイクの中に精を吐き出し、引き抜いた後も限界まで絞り出した白濁でマイクの表皮を汚した。  ジョエルは一度マイクから離れ、例の仕事道具が入った黒いボストンバッグを手に戻ってくると、私の口を覆っていたテープをはがした。 「ジョエル! 何てことをーー」  ジョエルは私に深く口づけながら、同時に私の首も絞めてきた。私は一瞬ひるんだが、ジョエルが言った言葉をそのまま使って彼の行為を止めた。 「私たちは"共犯者"だろう? だったら、今、私を殺そうとするのは止めてくれ!」 「……それもそうだな。ダニー、ありがとう。俺を受け入れてくれて」  ジョエルは私の手錠を外し、私はつかの間の自由を得た。
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