メイド喫茶なんてやってられるか

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そう。それは高校で一緒だった光だったのだ。 「ひっ」 私の喉は奇妙な音をたて、目はこれでもかと言うほど見開かれていたと思う。 光はニコニコと笑っている。 顔がいいのがこれまたムカつく… が、こいつはどっかのお嬢様と最近結婚したと風の噂で耳にした。 多分こいつの顔が一目で解ったのも、その写真を見せて貰ったからだろう。 「ねぇねぇ。」 先輩が私の方にコソコソと耳打ちしてきた。 「茉莉(まり)ちゃんまさか一目惚れ?」 「はっ、はぁ!?」 驚きすぎてどもってしまった。 先輩はそれを図星の動揺だと勘違いしたようで、ニヤニヤ笑うと言った。 「レジ番変わってあげるからさ。行ってきなって。」 「いや、違っ」 私の否定の声も虚しく、先輩は私の背中を押すと無理やり手にオムライスの盛られたお皿を乗せた。 私はついに押し負け、トボトボ…いや、コソコソとオムライスを持っていった。 「あ、レジの子だ。」 そう声をかけられ、顔をそむける。 が、回り込まれ、完全に直視された。 あ、私の人生終わった…そう思ったのも束の間、 いや、近い近い!? ん…?私は妙なことに気がついた。 光ってこんなイケメンしかできない仕草をするような奴だったか? 私の頭の中で昔の光の姿がフラッシュバックした。
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