寿退社ではないです

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寿退社ではないです

朝、こんなに目が覚めたことに後悔した日はなかった。 昨日の事件のせいで先輩たちは私をからかってくる。 退社することに決まって荷物をまとめていると先輩たちが声をかけてくる。 「なになに〜?寿退社?」 「違います。」 「まぁ。あんたなんか居なくてもここの店は回っていけるんだけど!」 「そ、そうですよね」 「もちろんよ!でも…たまには…遊びに来なさいよ…?」 ツンデレキャラの『ゆっきー』こと雪乃さんはそんなことを言っていて、少し胸がキュンとした。 『これが萌えか…。萌えなのか???』 特によくして貰った『みみりん』こと美里さんは私が退社する準備を整えていると泣けてくると言ってハンカチを常備していて、よくロッカーに顔を突っ込んでいる。 「またオムライス食べにきてねぇ〜」 ロッカーでくぐもった声を響かせて美里さんは言った。 オムライスは大好物でしたが、 昨日のあいつのせいで当分食べたく無いのでまた来年にでも来ます とは言えず。 なんやかんやで昨日手に握らせられたメールアドレスにメールを送って迎えに来てくれることになった。
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