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駄目男 大城
大城は何をやっても駄目な男だった。
30歳になっても彼女はおらず、仕事の方も営業成績はいつも最下位で叱られてばかり。
おまけに、最悪と評判の客である石丸商事の沢田部長の担当にされてしまい、さんざんこきつかわれうるさい小言を言われても、1円の営業成績にもならない。
最近買った中古車は駐車場で当て逃げされ、歩けばガムを踏む始末。
ほとほと嫌になる毎日だ。
仕事場で大城の向かいに座っているのは、営業成績1位の吉沢だ。女性社員からの人気も断トツで、社内で一番の美人だと言われる有村とつきあっているとの噂だ。
大城は吉沢がうらやましくて仕方がなかった。
その日偶然2人だけで残業になった。
大城は変な奴だと思われることを覚悟して、吉沢に日頃から思っていることを話してみた。どうして、こうも違うのかと。
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