ずっと一緒にいよう 執着

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ずっと一緒にいよう 執着

 俺には好きな人がいる。  けど、その人は高値の花だった。  諦める手もあったけど、俺は頑張った。  彼女につりあうようにたくさんの努力を重ねた。  そのかいあって、去年やっと付き合えるようになった。  人生で一番、嬉しかった。  けれど、彼女には他に好きな人がいるらしい。  三日前、唐突に呼び出された時に、別れ話を切りだしてきた。 「私の事は忘れて新しい人生を歩んで」なんてそんな事できるわけない。  俺にとって彼女は代わりの効かない存在なんだ。  彼女は俺の人生そのもの。  彼女に振り向いてもらうために、ここまで変わったんだ。  だから、今更元に戻るなんてできない。  彼女を諦めて、他の女性と付き合うなんて想像すらできなかった。  そんな事したらまた、俺じゃなくなってしまう。  でも、彼女にとって俺は、どうやらかわりの効く存在だったらしい。 「この人と付き合う事にしたの。彼は私をすごく大事にしてくれるのよ」って、写真を見せられた。知らない男の。  俺だって大事にしてたよ。  自分らしさを犠牲にしてまで、変わり果ててまで、君と一緒にいる事を望んだ。  それなのに!  だから俺は、彼女が離れていかないように、ずっと一緒にいることにした。  俺はさっそく、彼女を呼び出した。 「最後なんだから、これくら我が儘聞いてくれたっていいいだろ?」 「仕方ないわね。そうね、最後だものね」  最後なんかにはしない。    彼女と会って、話をして、一緒の時間を過ごした後、乾杯のグラスを打ち合わせた。  彼女は口をつけてすぐ、眠ってしまった様だ。  僕は彼女を自分の車にのせて、永遠に一緒にいられる場所へ向けて走らせた。  この世界には、僕達が一緒にいられる場所はないみたいだからさ。
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