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「ママー!」
走ってきてソファーに居た私の腰辺りにくっついた息子を抱き締める。
「おはよ。いっぱい寝た?」
「うん!いっぱいねて、おきたのー」
息子は3歳。
4月から幼稚園に行くのに甘えん坊で、人見知りで……不安ばかりだ。
「じゃあ、トイレ行こっか」
声をかけるとモジモジする息子。
素直に行くとは答えない時は……
「出ちゃった?」
くっついている息子をちょっと離すと、息子はチラッとこっちを見てじっと床を見つめた。
「じゃあ、お風呂場ね」
立ち上がって屈みながら肩に手をつくと、息子はかなりのがに股で歩く。
その後ろ姿がおもしろ過ぎて思わず吹き出しそうになった私はキュッとその肩を掴んだ。
しゅんとしていた息子も服を脱がせてシャワーをかけてあげるとキャッキャッと楽しそうに声をあげる。
さっきまでのしょんぼりは水と一緒に流れたのかしら?
お風呂場から出てバスタオルで拭く頃には
「きもちかったー」
もうにこにこ笑ってクルクルと回る。
「おむつ穿く?」
タオルをかけて振り返ると、息子はフルフルと首を横に振った。
「もうあかちゃんじゃないの。パンツよ?」
とりあえずパンツを穿かせると息子はにこにこして走って行く。
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