思春期

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思春期

初めての経験は、16歳の真夏日。 最高気温は25度。 少し涼しい風が吹くくらい。 私とした彼は17歳の先輩。 暑い暑い体育倉庫の中で2人きり。 元はと言えば、先輩が倉庫の鍵を壊しちゃったせい。 とんでもなく蒸し暑い空間に閉じ込められて、 水分もなくて、 このまま死んでしまうんじゃないかなと、錯覚を起こし始めてた。 先輩が言う。 僕の責任だ。 私は、そうですよと肯定してやった。 だからこうなるのも必然。 先輩の首から垂れる汗が何だか、美味しそうに見えただけ。 首筋から流れるその美味しそうな水は、 私を狂わせていく。 そっと触ってみる。 先輩が、驚いたような顔をして、 すぐに顔を赤らませた。 女慣れしてないその純粋な体に触れてしまったと思うと、 罪悪感が少し膨らむ。 大丈夫ですよ。と意地悪そうに歯を向ける。 先輩の蜜を舐めた。 先輩の声が漏れ出す。 魅了されてしまう。 これだからモテるんですよ。 先輩は声を震わせて 私の言うそんな言葉には 耳を傾けるだけで精一杯なそんな顔をしていた。 先輩好きです。 好きです。 先輩を食べ尽くしていく。 細部まで。 あなたの全部が欲しいんです。 私は先輩が限界を迎えるまで、 必死に喰らいついた。 その後、私と先輩は他の先輩達に見つかって。 その行為はあの時間だけに終わってしまった。 先輩は、私と口を聞きたくないのか。 部活でも無視されることが多くなった。 私は悲しかった。 凄く凄く悲しかった。 本当に失恋したみたいに。 心に穴が空いてるようだった。
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