カワセミは去り、水面のきらめきは増せど掴めず。

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カワセミは去り、水面のきらめきは増せど掴めず。

夏の尻尾、逃さないようにきちんと見張ってたのに、多分今日はもう秋 駅までの道に、誰も見向きもしないシャッター街がある。僕はその寂れた様子を見て、小説の素材になりそうだなんて、隆盛の頃の妄想をする。僕もやはり、この商店街を見ていない。 優れた作品を見ると、寂しさというか、満ち足りた人には描けない何かの鼓動を感じる。だから経験のなさは夢の膨らみだ。ただ、経験したことは描写の忠実さを得られる。そんなリアルと妄想の踊り場で僕たちは肩を組んだり地団駄を踏む。 線路の下に石が敷き詰められていることにも意味がある。基本人間の作ったものは意味で溢れている。人に作られた僕は、何か意味を持っているのだろうか。まだ僕自身自分の意味は見つけられていない。あるいは、意味とは元来それ自体からは認識できないものなのかもしれない。 寝不足とお酒でドロドロの体調、電車に揺られながらずいぶん久しぶりに朝日を見た。夕日とはまた違う金色で、早起きの得にはこの祝福と歓迎の曙光を浴びられることも入っているのかもしれない。ただ、そんな洗練された鋭い光からすれば、僕は間違いなく汚物だろう。 誰も僕のことなんか見ていないのに、外に出ると見られるのが嫌だという感情が湧く。誰も見ていないのに。 電車に乗る。靴を洗わないとなと思う。 イヤホンから流れる音楽は劇的で、起伏のない生活の僕はつい悲劇でいいから、と山と谷を望んでしまう。しかし、実はこの灰色で平坦でただ長ったるい僕の人生こそが何よりもの悲劇なのかもしれない。 服を選ぶ。街を歩く。馬鹿らしくなる。 昨日からハンカチを持っている。使わない。 涼しい夜、走ったり自転車を漕ぐと、このまま一陣の風にでもなって誰にも見られることなく街を見て歩きたいと思う。しかし、余計に走るでもなく家に帰る。 小学生の頃友だちに見せびらかしていたエアガンを久しぶりに掘り起こすと、壊れていて空撃ちしか出来なくなっていた。ショックはあまりなかった。まだ机にある。 物語の中の夏は湿気と生命の躍動が凄い。実際の夏はうざったい虫と暑さでどうしようもない。もう秋だ。 子どもが親の後をついていく。しきりに辺りを気にしている。何が入っているのか分からないリュックを背負って、すごくキョロキョロとしている。 毛が増えては減らし、減っては増やす。 時代は巡るというが、円環のように見えて実はバネを上から見ているような、角度の問題なのかもしれない。 金がない この感情が妥当かどうか、論理という定規で長いこと測ってきた。しかし、定規の当て方ひとつで随分手間取り、もうこの感情を認めることこそがこの世での正しいあり方なのだと思い始めた。 涼しさと寂しさ 夏みたいな顔するなと思う 夏は気温と湿度以外の何かがあった。 光に弱くなった今、曇り空の眩しさを感じる 有楽町から上野まで来ると、ランクが1つ下がる 夏、光吸う黒髪  僕はすぐ疎外感を覚える。自分でも身勝手だと思うくらい簡単に。しかし、感じちゃうからしょうがない。治したいけれど、どうしても、根からそうだからしょうがない。惨めさを感じて、1人になりたくなる。勿論友達と遊んでるときにそういうのがあると他の人たちは冷める。それも分かってる。テンションを上げてその場くらい付き合いたい。そう思う。でも出来ない。例えば人間関係の構築しきれていないカラオケなんかでは喉が萎縮するくらい悲しくなる。  だから僕は、本当に初めから1人でいたい。人恋しさは人並みにあるけれど、足し算引き算するとやっぱり僕は1人の方がいい。 人は下品  下品さを自分だけに見せてくれたと思ったとき、思ってしまったとき、人は人を好きになる。これは恋愛に限った話ではない。でもどうだろう、僕がいないときに下品さを見せていない保証はどこにある?絶対にない。僕は自分を上品だなんて思わないけど、その下品さを人の10倍憎んでいる。 酒飲んだやつの言うことには徹底して抗戦する。 この場に僕はいらない、人であればよい。 僕のしたいことはこんなことだったのだろうか。 僕は本当の意味で性格が悪い、意地悪とかとは違う、欠陥がある 僕は懐が深いのではなく、人に関心がないから色々な話をうんうん頷けるだけだ 生きる気力も死ぬ気概もない自分を恨む昼すらある 夜の闇に溶け出して黒い霞にでもなれれば僕の人生は100点だ 人生とは生きるということだ 冬、葉が散り何もない ヒリヒリと肌を焼く寒さから逃げるように電車に乗る。あと数分後にはまたひりつく寒さに晒されるのに 小説が書きたい 僕の身を焦がし、心を貫き、頭をぶん殴るような 焼き捨てたい過去、吐き捨てたい胸の内 時間は迫る 大事に いつ見てもロケットの発射失敗は気持ちがいいなあ! 地下鉄の扉が開くときの風、木陰で感じる風 13:00の斜めの日差しに冬を感じる 目を見開け 不幸中の幸いというか、不幸ながら幸福 世紀末とヒップホップ 寝すぎて冴えない頭、タスクは後回し。生きている価値がない。他者に何も与えていない。資源の無駄遣い。ゴミを生むゴミ。ゴミの親。排泄物の元締め。うんちマン。課題やればか。 明日絶対やると決めて3日経った。 脳みそ捨てろ。 蛍光灯だけが僕を照らす。僕にものを見させる。淡々と機械的な癖に何が蛍だ。 ウチの小学校にあるビオトープには昔ホタルが居たらしい。今や児童の安全目的で護岸工事され当時の水辺は見る影もない。蛍も人も寄り付かない、ただの大きな水溜り。タイムラグで全ての信号機が赤信号のとき、交差点で最も安全な時間が生まれるように、人が居なければそこは安全なのである。それは寂しい結論である。  この下らない現在も将来振り返れば思い出になることに気がついた僕は、先日まで現在を生きることの尊さを感じていた。しかし今はそうではない。こんな平坦な日常何が思い出になる。思い出せたとしても思い出さなくていい質量ゼロのクソ人生。初風に飛ばされて霧散すればいいのに。 生きる理由も死ぬ理由もない。僕は何のために命をかければいい? 自ら死を選ぶほど理性を明け渡していない。酒を飲んでも人間関係の粗相はしない。僕は強い動物的な本性を抑えるために並の人以上の理性を獲得した。僕は自殺も出来ず、ひと夜の間違いも起こせず、投資的なリスクも冒せず、緩やかな螺旋階段を夜景に目を奪われながら降りていく。その足取りは重いとも軽いとも言えず、ただ自分で歩いている感覚もせず、降りていく。 子どもの頃、言葉で理解はしていても心で理解できなった、時が経つことの残酷さを、僕は心から理解できている。そういう点では僕は大人になったと言えるし、もし自殺するとしたら、そこに感じる恐怖が大きな理由だと思う。これ以上生きていても衰える一方で、楽しいことなんか子どもの頃以上のものはなくて、若者が羨ましくなって、春なんか終わって、壺の中で干からびていくアマガエルのように孤独とやるせなさと自分と闘いながらただ死んで行くんだと思う。良い映画も、小説も漫画もアニメも、所詮エンタメだとしか思えないし、誰かにこれ以上読むなと言われたら全て、死ぬまで読むのを辞められる。それくらい僕は人生に対しての関心がない。親や友人など人間関係のしがらみがなければ消極的選択でとっくに自殺していると思う。生きていて楽しいと思ったことがない。これは生きている間、という意味ではなく、それなりに楽しい思いもした。「生きていること」それ自体に感謝を覚えたことがないという意味である。最近は夢の中で電車に乗ったり見たことのない場所に、現実では不可能な組み合わせの人選で旅行?に来ていたり、そういうのが楽しみで、睡眠時間が僕を癒してくれる。これは殆ど、生きていることへの拒否であると思う。しかし同時に、行ったことのない場所に、信じられない人選で行くことが現実でも出来れば楽しいと感じられるのかな?などとも思わせてくれる。しかし実際はお金もなければ就職などの人生的な時間もなければ旅行に呼べる意外な人脈もなければその旅行を上手く実行する手立ても気概もない。つまりクソだ。川は流れてゆく。1秒後の川はもう違う川である。そのことを知りつつも僕は川の一点を凝視しているのである。もうこの川は僕の知る川ではない。 語らないことで生まれる単純で美しい世界の作り方を僕はまだ知らない 冬のぬるい風に学生時代の思い出を想起させられたとき、青春が暮れていたことに気づかされる。 寒さ対策がばっちりなだけで、何か気分の高揚を感じていた。 寒空の下、季節に見合わない格好で走り回っていた。無理をしていたとも取れるが、身体を使っているかどうかのメーターがあるとして、正直無理していたときの過剰よりも現在使っていないことによる不足の方が人生においてマイナスだと思う。  僕は人としてはあり得ないくらい社会的でない生活を送っているが、それもまた、人間にしか出来ない生活だと言える。  冬の星に満ちた夜空を割くように、光の筋が通っていた。一眼見るとそれは次元の裂け目のような、あるいはオーロラのような、よく分からないものだった。驚いて凝視するとそれは細く長く伸びて月に照らされている雲だった。なんだよ、とかは思わなかった。純粋に綺麗だなと思った。それくらい弱っていた。 やっぱり生きることは至難だ。楽しいことだけをやっては生きていけない。生きるために自分を殺す日が必ず来る。そして何度も来る。 宗教は見たいものを見せる。どこに注目してどこを無視するかは自由。切って貼って結びつけて、時代に沿う形のキメラを作り信奉する。 確率の計算は異様に不快感を覚える ロックオンフューチャー この世は1人で出来ないことが多すぎる いちいち金を取られる 大体20で人生は終わるはず
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