香り

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彼女はコーヒーが好きだった いつも彼女は本格的なお店から買って帰ってくると、ニコニコと嬉しそうに笑いながらコーヒーメーカーに手を伸ばしてコーヒーを入れていた 僕はコーヒーの香りも苦手だった 頭が痛くなるのだ チョコも同じ 食べ過ぎると頭が痛くなるから嫌いだった 「…あ、ごめんね、嫌だった?」 彼女は僕を心配そうに見てきた 「あぁ…うん… 大丈夫だよ」 僕は笑って答えた ちゃんと笑えてるか、自分の顔なんて見えないから余計僕は不安になった それでも僕は笑った 思えば、僕は彼女を毛嫌いしていたのかもしれない 自分が嫌ということをやる彼女を、受け入れられなかったのかもしれない
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