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僕は悪くない、とさっきと同じように叫びたかった。
僕は約束を破られて、かわいそうなんだと。
でも、誰もが怖い顔で僕を見ているから、何も言えなかった。
「小学生ぐらいの男の子がコンビニにいるって通報があったんだよ。君、どうして一人でコンビニにいたの?」
僕は、何も言えなかった。
僕は、悪くないはずだった。
悪いのは、ゲームを買ってくれないママのはずだった。
だけど、今ここにいる人達は、「僕が悪い」と思っている。
「こんな夜中に、一人で。たまたま見つけてくれた人が優しい人だから、良かったけれど、悪い人だったら殺されてしまうかもしれないんだよ」
僕を見つけた人は、僕に嘘を付いた悪い人なのに、おまわりさんはそう言った。
おまわりさんにとっては、僕が「悪い子」なのだ。
今この瞬間は、誰もが僕を「悪い子」だと思っている。
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