ビター

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「そうすれば?」  あきれたように言われた。 「どうして何も聞かないんだよ!」 「どうせ、その口ぶりからだと、おかーさんに何か買ってと駄々こねて、『駄目よ』と言われて、切れて家出したって感じでしょ」 「っ!」   当たっていた。本当に大当たりって感じだった。 「図星みたいね」  さらに、あきれたように言われた。 「バカね」  そして、次に言われたことは。すごく、腹が立った。 「バカって言うな! 僕はバカじゃない!!」 「本当のことじゃない」 「ばあばに言いつけてやる!」 「そうしてどうするの? ばあばがあんたの代わりに言ってくれるって?『私の孫はバカじゃない』って?」
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