5人が本棚に入れています
本棚に追加
「ばあばに言ったら、ママがダメだって言ったことも、何でも大丈夫になったっ!」
「―で?」
でも、その人は全然変わらなかった。
「そのばあばとやらは、どこにいるのよ」
とたんに、僕は黙ってしまった。
ばあばは、いなくなってしまった。
「天国」というところに、半年前に行ってしまった。
ばあばがいなくなってから。
僕の言うことは、全部大丈夫じゃなくなった。
「……あんたのお母さんが、『ダメだ』って言うのは、別に意地悪じゃないと思うよ」
黙りこんでしまった僕に、その人は言った。
「どこがだよ!」
「少なくとも、あんたのばあばよりは、おかーさんの方が、あんたのことを心配してくれているとは思うわよ。あんたのばあばは、あんたを可愛がりたいって言う、自分の欲望を優先した。つまり、あんたのことより自分のことが大切だったってことだよ」
最初のコメントを投稿しよう!