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パーティーから退場した私はまるで私が出てくることが分かっていたように出発の準備を終わらせて待機していた馬車に乗り込み家へと向かった。
しかし、ジンシ家の使用人たちは仕事が早いですわね…。
何百回と繰り返している私でもジンシ家の使用人より仕事が早くて素晴らしい使用人は王家を含めていませんでしたわ…。
私のお父様は人を見る目が本当にいいのですわね。
お父様に比べて王太子殿下は人を見る目がまったくありませんわね…。
それにしても、
「お嬢様、大丈夫でしたか?」
マリアはとっても心配してくれているわね…。
「えぇ。大丈夫よマリア。心配かけたわね…」
「いいえ!お嬢様はお優しすぎます。
こんなことになるなら能無し王太子なんて見捨てていればよかったのに!」
「ふふ、もう、マリアったら。駄目よそんなことを言っては。」
マリアは優しいわね。
まぁ、ジンシ家の者達は皆優しいけれども。
「やっぱりお嬢様はお優しすぎます。
…あっ! そろそろお屋敷に到着するようです。」
「あら、マリアと一緒にいると時間があっという間に過ぎていくわね。」
「!!””もうお嬢様ったらまたそんなことを言って。」
照れてるマリアも可愛いですわねぇ。
私がそんなことを考えていると馬車のドアが開いた。
「「「お帰りなさいませ、カラルお嬢様」」」
「えぇ、わざわざ出迎えありがとう。」
私は馬車からエスコートをされながら降りながらお父様がいらっしゃるかを聞いた。
「旦那様でしたら書斎にいらっしゃいます。」
玄関までエスコートしながら答えてくれた執事にお礼を言い私はお父様のいる書斎へと向かった。
コンコンッ
「カラルです。お父様、お時間よろしいですか?」
お父様は休憩中だったのかお茶を飲んでいた。
「おぉ、カラル。帰ったのか。
もちろん大丈夫だ。そんな所から覗いてないで早く入っておいで。」
「失礼いたします。
帰ってきて早速ではございますがお父様、私婚約破棄されましたわ。」
「…ん?」
あらお父様ったらそんな顔もなさるのね
何回見ても新鮮に感じますわ
「ですから私、婚約破棄されましたの。」
「あんのクソ王太子!!!
私の大事な娘になんてことを!!今すぐ八つ裂きにしてくれる!!」
ビクッ!!
やっぱり何百回繰り返してもこんなに怒ったお父様にはなれないですわ…。
いつもの冷徹と言われている無表情がこんなにも怒りの色に染まっているところなんてきっと誰も見たことないんでしょうね…。
「お父様。落ち着いてください。」
早くその近づく者全て殺しそうなオーラをしまってください。
「だが!あいつは心優しいお前を捨てたんだぞ!!」
「もういいのです。
王太子殿下がお決めになったことですし、
もう..疲れてしまいましたから…。」
本当に疲れましたわ。..眠い…。
「ッ!!!!! …そうか。」
「お父様、詳しい話は明日お話しさせていただきますわ。
今日はもう休ませていただきます。 失礼します、おやすみなさい。」
まぁ、詳しい話をする明日は来ないのでしょうけど。
「そうだな。カラル、おやすみ。」
私は微笑みながらお父様の書斎を出た。
書斎を出た私は自分の部屋に向かいながら考えた。
「…次は楽にしていこう。」
決めましたわ。
次はわざわざ王太子なんかに会わないで自由にいきますわ。
もう色々面倒ですし。
そんな決意を決めていたら自分の部屋についていた。
どうせ巻き戻るならと普段であれば着ない特別お気に入りのネグリジェに着替えて天蓋がついているベットに横になった。
目が覚めたら自由に生きていこう。
今回も迷惑ばかりかけてしまってごめんなさい、
おやすみなさい。
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