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英美利ちゃんは輝く薔薇のような華やかな笑顔を浮かべた。
「はい、英美利ちゃん頑張ります」
わたしは、ぺこりと頭を下げた。
「うん、葉月ちゃんこちらこそよろしくね。わたしの家の掃除などは大変かもだけど頑張ってね。浜本、何してるの? そうだ、雪本さ~ん、新しいお手伝いをしてくれる子が来たわよ」
英美利ちゃんは朝から忙しそうだ。
「英美利、うるさいな。お前の荷物が重たいからだろう。何が入っているんだよ。あ、成田さんおはようございます」
浜本さんが荷物でぱんぱんに膨らんだ鞄を両手に持ち奥の部屋から出てきた。
「浜本さん、おはようございます。荷物重たそうですね」
「そうなんですよ。英美利の奴はいらない物まで鞄に詰め込むから持たされてる俺はいい迷惑ですよ」
浜本さんは嫌そうに顔を歪めて言った。
「……大変ですね」
とても重たそうにしている浜本さんを見ると同情してしまう。
「浜本、わたしの悪口言わないでよ。わたし雪本さんを呼んで来るね。雪本さ~ん」
英美利ちゃんは浜本さんをキッと睨みそれから奥の部屋に行ってしまった。
「本当にうるさいし困った奴ですよ……あ、そうだ、成田さん初仕事頑張ってくださいね。それから雪本さんに負けないでくださいね」と言った。
何だろ? 今、なんだか引っかかる言葉を聞いたような気がするのだけど。
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