〜episode1〜

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此処は…? 見渡す限り、菜の花が咲き乱れ、川岸には満開の桜の木が何本もあった 強いて言うなら…天国? 行ったことはないけど、よくお伽話で出てくるような所だ 俺は夢を見ているのか? さっきまで、確かに自分の部屋にいたはずなのに‥ あれ?さっきの奴は…? キョロキョロしていると、さっきの奴が桜の木の下で手招きをしていた 俺はそいつの所に駆け寄った 「‥もう大丈夫なのか?」 「はい。お陰様で」 「それなら良かった」 「…助けて頂いて、本当にありがとうございます」 「…所で、ここは?」 「秘密です‥」 「助けていただいたお礼に何か一つ、願いを叶えてあげます」 「………」願い? 俺の願い…なんだろ?考えた事もなかったな… 俺は暫くの間考え込んでた 「あの…」 沈黙に耐えきれなくなったのか、その人が俺の顔を覗き込むようにして、口を開いた 「…え???」 「あ‥ゴメンゴメン…願ね‥特にないな…」 「え??」吃驚したように目を見開いて、俺の顔をジッとみた 「無いんですか‥?」ガックリと、肩を落とすようにうなだれた 「ごめんなさい…そういえば、君の名前聞いてなかったね?」 「あ‥僕…ジェジュン」 僕?って事は、男か。 「ジェジュンか、俺の名前は…」 「チャンミン…」 「なんで知ってるの?」 「フフ‥秘密」 そう言って笑った顔が、余りにも美しくて‥暫く見惚れてた あ‥キスしたい。 不意に思ってしまった 「…いいよ」 え?!俺、声に出てたかな?思わず口に手を持っていく 「チャンミン、キスして」 俺は促されるように手のひらでジェジュンの頬を包み、そっと唇にキスをした これが俺のファーストキスだった。
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