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夜。
類は仕事に行き、マフィも類についていき、光はうつ伏せでTシャツを捲り、ボクサーを下げた姿で晶に湿布を貼ってもらっている。
「あー、今日、バイト休みで良かったあー」
光が枕を抱いて安堵の声を上げる。
そんな光に晶は後ろめたさを感じた。
「....ごめんね、光」
光の腰に優しく湿布のフィルムを剥がし、丁寧に貼りながら晶が呟く。
「なにが?」
軽く上半身を起こし、首を捻り光は素っ頓狂に尋ねた。
「....始めね、光凄いなあって、怒りとかより、なんていうのかな、マフィとしてる光にびっくりしたし、興奮しちゃってた」
「そうなの?」
「うん。....早くに止めてたら良かったのに、ごめん」
光は笑顔を浮かべた。
「謝らないでよ!最初は確かに慣れるまで時間かかったんだけど、途中からは気持ち良くなったし」
途端、晶は怒りで眉を寄せた。
フィルムを剥がすなり、先程の丁寧さは何処へやら、パン!と光の腰に湿布を叩きつける。
「いって!なにすんだよ、晶!」
「湿布、貼ってんの!」
また、パン!と小気味よい音を立て、叩きつけるように湿布を貼る晶がいる。
「怒ってんの?晶」
「気持ち良かったんでしょ!?良かったですね!」
またパン!と腰に湿布を叩きつけるなり、光が、いてっ!と叫ぶ。
「途中は気持ち良かったのはそうだけど。途中からはしんどくなって来たから、喘いでるってより喚いてた、最終的にこうなりそうな予感もしたけど、マフィや店長に耳打ちされて、我慢してたり」
泣きそうになりながら光が訴え、晶の手が止まる。
「....耳打ち?」
しばらくの間の後。
「マフィからも店長からもそれぞれ別々に聞いた事があったから...2人に、言わないでね、て口止めされてたし、でも協力出来そうにないや、晶もいるし、当たり前だけど」
光は、来日するとマフィは自分のせいで店長が腰を痛めてしまい、仕事や私生活で支障が出てしまうこと、類からも似たような話しをそれぞれから聞かされていたが、お互いに言わないで欲しい、と言う2人だったので黙っていたのだ。
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