上部と誠。【嘘】で偽るもの。

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【嘘】ってのは何だろうか? 上部は…あの時【嘘】をついていたのか? あいつは…どんな事実を偽っていたのか? 「…誠…。」 「!?…上部!?」 俺の前で上部が口を開いた。 「…なぁ…誠…。 ……いや……ええわ。」 「……何だよ…。」 あの日から上部との距離が分からない。 俺は刺された傷を見る。これもあの時上部はダクトテープで俺の手足を縛りながら俺の止血をしていたから被害は小さく済んでいる。 「…俺は……死ぬんかな?」 上部がボヤいた。 「…。」 「…本当は…死にたくないさ。【うそつき】なんて…やめて…みんなと…一緒に…。」 上部が細い目から涙を流していた。 「………。 馬鹿だな! 学校ではな、お前がみんなを救ったて噂になっているよ。 だから大丈夫。 だから帰ってこい! 先生も時間がかかるけど回復するって!」 「…せか…ゲームは…すまんかった…。」 上部は俺の手を握った。
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