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「まぁ、それはいいわ。
俺は言っとくがここから全員で無事に出るつもりや。一人で逃げたりせん。」
上部は教室を見渡す。
「それより今の警報機の音であんたは気づけへんかったみたいやけど、今ので警察が近くまで来とる。
あんたが入ってきた非常階段からな。あんた側からじゃ後ろ、やけど、俺からはハッキリ見えとる。」
「…。」
「どや?誰か人質にでもせんと、あんたが後ろからひっ捕えられるぞ?」
上部は笑いながら言う。
犯罪者は銃口を向けたまま黙って居た。
「そうだな。…なんにせよ人質は居る。」
犯人は上部から視線を生徒に移す。
そのタイミングで上部は動く。一人で教室の外へ。
「…かかか!そんなの全部【嘘】や!」
しかし上部に銃弾が。
「!?」
《対応…早すぎるやろ!》
上部は教室の前に倒れた。
「…やっぱりな。てめぇは【うそつき】。口は達者だからそんな所だろうと思ってたんだよ。」
「…かかか!…嘘ってのも…
【嘘】や。」
「確保!!」
「!?」
上部の弱々しい言葉に応える様に警察官が非常階段から現れ、犯人を捉えた。
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