取り残された

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はぁ。悠星(ゆうせい)さんはなんて人だ。 一人前じゃないのに放っておいて。それに、まだ助けてって声もたまにするんだけど。 いったいどこから? わからない。住職もわからないから、俺にわかるわけないじゃないか。あの公園なのは確かなのに。悔しい。 「雪見、シャワーいつまでしてんだ!」 「あーごめーん」 相変わらず夜はキャバクラのボーイをしないといけない。修行後に行くため、必ずシャワー浴びてから着替える。そんで、友達の隼人(はやと)は俺の面倒をみてくれる。 「助けてって声が公園でするんだよ」 オーダー待ちの暇な時は、隼人とよくしゃべる。 「は…?怖い話はやめろ!」 怖がりな隼人。そんな怖いか? 「夜に行ってもわかんない」 「いや、雪見は肝試しでもしてんの?」 「違うけど」 「おい!しゃべるな」 わー先輩に怒られた。無駄話しすぎる癖がある。わかってるけど、隼人が止めてくれないんだよね? 「お前、前からいたか?別人か?」 客に絡まれるのも仕事のうち。 「同じ同じ!この子筋トレしてるんですってー」 キャバクラの女たちは、みんな年上だからか俺のことをからかってくる。 「ジム通いか?ふざけやがって」 「公園でトレーニングしてます」 「ねーそれなんのため?」 「修行なんです…」 うまく説明できはしないけど。 「は?お前Mかよ!痛めつけてほしいなら殴ってやろうか?」 「そういう修行ではないです」 「はー?」 そう言いつつ、お客が立ち上がって拳を掲げた。 「雪見ー!」 隼人の声がしたけど、なんなんだ。今忙しい。 拳は抑えた。 「人を殴ってしまうと、罪になりますよ」 「な、なんだこいつ」 「雪見、大丈夫…か?」
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