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公園の彼女
部活動の人達とすれ違う。声が以前よりも大きくなった。だから、思い切って…悠星さんみたくやるぞ!
「すみません!」
と言って、走っている人たちの前に立ちはだかってみた。
「なんですか?」
みんな止まった。女の子ばかりのグループのようだ。困った。これじゃ、誰か特定するの難しい。
[暑い、もう辞めたい]
…やっぱり声がする。
「何この人?かっこいい」
「でもお寺の人じゃなかった?」
[汗でべたべたする。もー嫌!]
これは、口を動かして発してる声ではない。他の人の声に重なって聞こえている。
「君、具合が悪い?」
髪を後ろで結んでる女の子から聞こえてる気がした。いきなり手を取って驚かれたけど、
[うそ!助けてくれるの?]
と、口を動かしてないのに聞こえた。
「山本、ジャージ暑すぎるんじゃない?」
「日焼け防止はわかるけどさぁ」
「あ、あの先輩…私…少し休みたいのですが…」
「無理は禁物です。休ませたほうがよろしいかと」
「…じゃ、その子お願いします」
みんな彼女を置いて走って行った。結構ドライなんだな?
「あの、ありがとうございます。ちょっとトイレに」
腹痛?なわけない。暑い、とか助けてだったし。トイレ駆け込んだけど。声はなぜ俺にだけ聞こえるんだ?
「あの、もう帰ることにしました…」
戻ってきたらそう言った。
「具合は?もういいの?」
[すごい心配されてる…ただ暑いだけなのに。あーべたべたして気持ち悪い]
「シャワー浴びる?お店のだけど」
「え?」
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