取り残された

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取り残された

いつものように、公園で雪見(ゆきみ)はトレーニングしていた。 「雪見、アメリカに帰ることにしたから」 瞬きをしているが、返事がない。 「えー!?それって、俺が一人前ってこと?ですか?」 遅い反応だ。 「違う。帰っていい許可が出たんだよ」 「…ってことは、俺はまだ一人前じゃない!?」 「そう。親父と頑張って」 「え、お寺の皆さんは修行しないんですか?」 「無理だよ。そんな能力ない。なんで拝み屋やるんだよ」 「え?」 「なに?」 「跡取りって、俺が住職になるんじゃ?」 「はぁ?雪見は学校も行ってないし無理!」 「えー、跡取りってやっぱり…俺の子供がほしいだけ?」 「いやいや、なに勘違いしてんの」 「勘違い?」 「拝み屋の跡取りだから。お前」 「つまり?」 「住職は別。最初はそうかと思ったけど、バカすぎて無理」 「そうなんですね…」 「まぁ、雪見。頑張って」 「え、…今から帰るんですか?」 「そう。じゃあ元気で」 雪見はびっくりしてる。俺のことは夢に見ないのか。危険なことじゃないと夢には出ないようだ。
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