smashing! おれらのふかしんじょうやく

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smashing! おれらのふかしんじょうやく

佐久間鬼丸獣医師と喜多村千弦動物看護士が働く佐久間イヌネコ病院。 二人の馴染みの近隣の商店街、丁度その裏側に位置する銭湯「ウミノ湯」。 「あ、マスター。こんちわ」 「…設楽くん、こんな早く銭湯来たりするんだ?」 大浴場から出てきたのは、商店街で喫茶メケメケを営むマスター岸志田七星(定休日)。そしてスチームサウナから出てきたのは、雲母のマンションに伊達と共に滞在中の設楽泰司(代休)。見た目はちょっと物々しくも見える二人が、昼日中からウミノ湯脱衣所でバッタリ。 どちらからともなく併設された食堂へ。本日のおすすめはチキンバスケット(量は想像してた倍)。米粉で揚げた鶏肉には生姜が利いていて旨い。添えられたフライドポテトはトスカーナ風。迷うことなくオーダーしたのは大ジョッキ。 先日のサバゲー以来、伊達家で散々呑んで騒いで泊まった縁は参加者の絆を深めるどころか、旧知の仲か兄弟か、てなくらいに全員が一気に親しくなってしまったのだった(別の意味での兄弟ではない)。なんかあの「家」そういうとこあるよね。あとみんな気付いてないけど佐久間さん、あの家住める権利獲得してるんだよねサラッと。 「…忘れてた。そういやそうじゃん」 「まあ、住んではくれなさそうだけどね。喜多村さんいるし」 「…設楽くんて院長好きだよね」 「直球ですねマスター」 設楽は徐に携帯を取り出すと、数回パスワードを打ち込み、画面をそっと岸志田に向けた。滅多に表情の変わらない岸志田が、途端目を見開いた。 「…ハ…」 「…秘蔵の…○学生」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「これは絶対喜多村さんも持ってない」 「設楽くんいったいどこから(完全犯罪臭するけど)」 「佐久間さんの実家からくるでしょ、ほら、ふるさと便」 「よくお裾分けくれるあの…」 「それを運んでくる、なんとかデザイナーのいかつい人…」 わかりみ。この世で一番強いのはおさなな。一見なんてことない関係性だけど、俺らみたいなビーとエルの世界観、この関係なしでは進んでいかないし展開してかない事が多々ある。ヒロイン的立ち位置であるヒーローのお宝画像とウラ話が満載なんだよ。て話逸れたけど。 「よく仲良くなれたね」 「佐久間さんちの呑み会の時、真々部さんが荷物持ってきて。そのあと一緒に呑んで風呂入って…」 「え?銭湯行ったんだ?」 「や、家風呂」 以下、マスター脳内妄想 (院長の幼馴染みと家風呂…院長のいないうちに設楽くんを真々部さんが味見…と思ったら逆で味見お願いしまぁす♡で設楽くんこれ以上彼氏増やしちゃって伊達さん逆ギレで院長が襲われて…) 「結局院長が襲われるオチなんだね」 「…多分マスターの予想は1割も合ってない思うよ」 設楽の説明によると、たまたまのスキンシップの一環。喜多村さんも一緒だったから、と設楽は続ける。やだあいい身体してるわねえ。そう言いながら様々なボディタッチ受けたけど、俺はそういうの全然慣れてて平気で。そんな設楽の肝の据わった感が真々部のお気に召したらしい。ちなみに真々部はオネエではないという。 その後真々部は様々な画像を譲ってくれた。「あの二人にはくれぐれもナイショを死守で♡」「御意」二つ返事で契約は履行されたのだった。 「こんな楽しみ方も確かにありっちゃありだよね」 「ありよりのあり…ファンてことにしてるし。俺は会員番号2」 「じゃあ俺は…3?え、1て…」 「そりゃ、どう考えても真々部さんかなって」 この佳き日、フライドチキン片手に、ウミノ湯食堂にて「おにまるFC」なるものが秘密裏に結成されたのだった。会員特典は超プレミア画像「佐久間鬼丸・高校文化祭女装メイドVer.」(真々部→設楽寄贈)そしてこれもある意味貴重な「アッ将棋の駒が胸元に落ちちゃいましたVer.」(町内会長→岸志田寄贈) 携帯を手に打ち震える会員番号2そして3。あまりの怪しさに離れた所で見ていた店主の羽海野真弓に「お前らの連れが変な取引してんだけど」などと「喜多村魔神ケーサツ」にチクられようとは夢にも思っていない。 そんな俺達、合い言葉は。 【【 とりあえず見るだけでも 】】
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