1/6
前へ
/283ページ
次へ

 夕食後。  キリは部活でまだ帰らず、ナミはメイとお風呂。  瑛比古さんはハルと食器洗いに勤しんでいた、そんな時。 「そういえば、佐原主任、母さんの友達だったんだって? 何で教えてくれなかったんだよ」 「へ? 知らなかった?」 「知らないよ!」 「そうか、てっきり知っていると思ってたよ」  出産の度、美晴さんが世話になっていたし、メイを身籠った時は、無事出産を迎えることが出来るよう、内科と産科の調整に奔走してくれていたから、ハルは病院スタッフとしての佐原ミチしか知らないのも無理はない。  オマケに佐原ミチ……ミチ姐は美晴さん以外の患者さんに対しても、熱心に対応していたから。  美晴さんを特別扱いしなかった、勤務時間内は。  勤務時間外は、時間があれば美晴さんに付き添ってくれていた。  それは大抵、ハル達の世話で瑛比古さんがいない時であり、ハルが知らなかったのも仕方ないだろう。
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

73人が本棚に入れています
本棚に追加