プロローグ

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 なにも信じずに生きてきた。  否、信じられるものなど、なにもなかった。  わたし自身は暗い闇で覆われ、底の知れないブラックホールがわたしの中に確かに存在する。  それは、ひどく不気味で、自分でもおぞましさを感じるほどの『黒』だ。  けれど、わたしは神と出会った。  名も知れぬ顔も見えないような神ではない。  確かに存在し、到底人とは思えないような力をもち、それでいて、どこまでも限りなく人間くさい――光の申し子。  彼の名は、望月(もちづき)水晶(すいしょう)――ほぼ、神だ。
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