ぴりおどねこ

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「なんなんだよ。お前なんかに話すことなんて――」 「別れたいの」 「おい! これは俺らの問題――」 「しっ、あなたは黙っていてください」 ぴりおどねこが男の唇に指球で触れて話を遮った。 男は驚き、目を丸くする。 「抵抗するなら爪を出します」 ぴりおどねこは、もう片方の手を男に見せた。 そこには立派な鋭い爪が……。 ――ごくり。 男は言葉を飲み込んだ。それを視認したぴりおどねこは、男の唇から指球を離し、女に向き直る。 「お嬢さん、理由を詳しく聞かせてくれますか?」 中身のないグラスの縁をなぞりながら、女は口を開いた。
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