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「え…?」
いやあ…今日はたまたま、ここに来るようなことになったけどまたここに来る予定はないよ?私が戸惑いを浮かべた表情で黙ってると虎太郎君がぎゅっと私の腕を先ほどより強く握った。その男子らしい強さにドキッとする。
「…ちょっとでも楽しいって思えたか?」
「えっと、うん」
「なら、来い」
「いや、私、勉強が」
「…勉強、勉強って言うけどさ!効率悪いからそのやり方!息抜きしながらやらないと息詰まるから!」
「な!」
なんで今日会ったばかりの虎太郎君にそんなこと言われなきゃいけないのよ!「私、帰る!ご馳走様でした!」
勢いよく腕を振って虎太郎君の手を外す。あっさりと外れてしまったことに驚き、思わず虎太郎君の顔をちらりと見てしまう。迷子になった小さな子供のように瞳が揺れ、そして何かを言いたいのか口をパクパクさせている。
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