ダラケ部!

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「富ちゃん、その顔!…今笑ってる、そっちの顔のほうがずっと可愛いよ」 生徒会長が頬の緩んだ私の顔に気がつき、さらっと「可愛い」と言ってきた。「可愛い」と言われ慣れていない私は頬が熱くなる。生徒会長はきっとあいさつ程度で言っただけよ。自分にそう言い聞かせてる。けど頬の熱は収まらない。 「あらあら。富ちゃんってやっぱり可愛いわあ。虎太郎もそう思うでしょ?」 「…知るかよ!」 小毬先輩は私をニコニコして見ているし、虎太郎君はそっぽを向いているけど思いっきり顔が赤くなった私の顔は見てるよね…。 うう…。 「ねえ、富ちゃん。本当に来てよ」 「…考えておきます」 生徒会長の最後の一押しに私は曖昧な返事だけ残してぺこりと頭を下げる。背中を向ける瞬間、生徒会長がバイバイと言うように手を振るのが見え、なぜか胸がぎゅうっと締め付けられた。
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