ダラケ部!

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「教えてもらえばよかったな」 紅茶を半分飲んで思う。そして勉強以外に知りたい、学びたいと言う気持ちになったのが久々過ぎて戸惑っている。美味しい紅茶を淹れられなくたって人は生きて行ける。進学や就職に不利になることなんてない。だから知らなくてもいいことなんだ、紅茶の淹れ方ぐらい。けどその紅茶の淹れ方をすごく知りたがっている自分がここにいる。 「…バッチリ、小テスト対策もしたし予習しよ」 残った紅茶を一気に飲み、私は軽く頭を振ってまた勉強に向かう。とりあえず、1時間勉強しよう。そう決めた私は時計をちらりと見て固まった。あれ…すっごい集中していたからいつもよりたくさん勉強していると思っていた。しかし実際は違った。いつもより短い時間しか勉強していないことに気がついたのだ。 「嘘…嘘でしょ?!」 ノートにはびっしり文字が書かれているし、問題集もしっかりやりこんである。勉強した内容だって頭にしっかり入っている。自分が思っている以上に集中していたという事実を突きつけられた。
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