ダラケ部!

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「え」 転ぶものでも落ちていたのだろうか?けど倒れないように踏ん張る力がない。それどころか頭に血が行き届いていない感じがして気持ち悪い。 やばい、やばい、やばい! 心の中で警報音が鳴っている。自分の体の状態が悪いのに何もできないのが辛い。いつから調子悪かったのかな。全く気付けなかったよ。苦しくて気持ち悪くてなんだか涙が出てきた。 「おっと、大丈夫?」 倒れてしまう直前に低い透き通る声の男の人の声が聞こえた。この学校の生徒だということは分かる。視界に3年生が身に着ける深い緑のネクタイが見えたからだ。…この声、知っている。声を聴いた瞬間に思った。ただ、どこで聞いたか分からない。入学して間もない私に上級生の知り合いなんていないはずなのに。 「大丈夫じゃないね。とりあえず、うちの部活で休んでもらおう」 体がふわっと浮いた。足が宙に浮いているのが目に入る。…いや、浮いているんじゃない。この人にお姫様抱っこされているのだ。体調の悪いぼんやりとした頭で今の状況を把握する。恥ずかしいっていう気持ちがブワっと広がる。けど、駄目だ。今の気持ちを伝える元気も恥ずかしくて暴れる元気も今の私には全くない。この人の腕の中でぐったりするしかできない状態だ。 「今は自分の体をゆっくり休めるのが仕事だよ」 この人の言葉に反論できない。そういう有無を言わせない力がある。 そして運ばれたのは、なんとあの「ダラケ部」なんで、ここにと思ったけど私の意識はそこで途切れてしまったのだった。
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