ダラケ部!

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お茶会というものはどういう風に嗜めばいいか分からない。けれど、小毬先輩が「そんなもの気にしなくていい」とバッサリ言い切った。と、言われましてもやはり緊張する。このティーカップ、絶対高いやつだし!ここにいる皆が優雅にお茶を飲み始めたので私も飲まないわけにはいかずビクビク口元に持っていく。そして一口飲んだ。 「え、紅茶ってこんなに美味しいものなの?」 ここにいる人たちしか飲めない紅茶かもしれないけれど、それでもだ。私の知っている紅茶の味ではない。すっごい上品なんだけど、なんだろう…すごく飲みやすい。いい意味で気取っていない感じがたまらないんだけど上手く伝わっているかな。 「気に入ったみたいね。おかわりいる?」 小毬先輩は親切心で聞いてくれているんだろうけど、首を大きく横に振る。飲みたい気持ちは山々だけどこんな高級な紅茶を何杯も飲んだらお腹壊すわ! 「…えっとお気持ちだけでこの一杯を大事に飲み切ります!一滴も残さないように!」 「…コイツの家、この紅茶飲むのも大変な家なのか?」 虎太郎君が哀れな顔で私の顔を見てくるのでイラッとした。
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