02.「俺と取り引きしませんか?」

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周りから指摘されるより自分から素直に言った方がダメージだって小さいから。 そこに同情も説教も必要ない。 へえそうなんだ、なんて軽く流してくれればそれでいい。適当に相槌を打って、深く踏み込んでこなければそれでいい。 それなのに、 「全然、恥ずかしくないですよ」 笑い飛ばすこともせず同情することも説教することだってなくて。 「むしろ、自分のやりたいことがちゃんと見つかってて尊敬します。そんな生き方」 私を見据える瞳が、真っ直ぐで。 「高野さんは自分のことをダメだ、なんて言ってるけれど全然そんなことないですよ。だって、自分の好きなことに出会えて今もそれを頑張ってる。それだけですごいことなのに」 初めて、私自身を誰かに肯定された。 胸がぎゅっと締めつけられて、嬉しくなる。 この空気に、その言葉に、その視線に飲み込まれてしまいそうになる。 けれど「もう〜、なに言ってるの」笑い飛ばして、彼の腕をパシッと軽く叩くと。 「私の生き方を尊敬する? 好きなことに出会えてすごい? 城戸くんてば褒めるの上手だな〜」 きっと、お世辞にもないことを言っている。 城戸くんは、見るからにモテる人だ。 栗色のふわふわした髪の毛に、綺麗な二重とちょうどいい唇の厚さ。左耳にキラリと光るピアスが一つ見えて。 高身長で、モデルさんのようにスラッとしていて、かっこいい。
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