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「すごく眩しいんです、目を逸らしたいほどに。でも、見ていたいんです。一瞬も目を逸らさずに」
まるで、対照的な言葉を口にする。
結局、どっちなのかよく分からないほどに頭は混乱していた。
「だから自分のことをそんなふうに言わないでください」
優しい口調で、そう告げられる。
人生で初めて言われた言葉の数々に、私は、耐えられなくなって、目線を下げて、
「……もう、勘弁してください」
両手で熱くなった頬を覆った。
だって、こんなこと、
「全然、言われ慣れてないの……」
だから、
「恥ずかしくて、胸がむずむずする……」
心がくすぐったくて、だけど嬉しい自分もいて。
そんな自分が気持ち悪く感じて「うあー」声をあげると、クスッと笑い声がもれるから、おもむろにチラッと目線をあげると。
「高野さんの反応がなんか新鮮で、可愛いなぁ」
心からの自然な笑いに見えて、言葉と表情で胸を撃ち抜かれそうになった私。
「もうっ、ストップストップ!」
かかとをうんと伸ばして距離を縮めると、彼の口を手で覆った。
それ以上その口が変なことを言わないように静止をかけたのだ。
「ふぁんふぇふか?」
困惑したように私を見つめる真っ直ぐな瞳と、ぶつかった。
彼は『なんですか?』と尋ねる。聞こえた言葉に「だって…」と口ごもりながら目線を逸らしたあと。
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