02.「俺と取り引きしませんか?」

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「すごく眩しいんです、目を逸らしたいほどに。でも、見ていたいんです。一瞬も目を逸らさずに」 まるで、対照的な言葉を口にする。 結局、どっちなのかよく分からないほどに頭は混乱していた。 「だから自分のことをそんなふうに言わないでください」 優しい口調で、そう告げられる。 人生で初めて言われた言葉の数々に、私は、耐えられなくなって、目線を下げて、 「……もう、勘弁してください」 両手で熱くなった頬を覆った。 だって、こんなこと、 「全然、言われ慣れてないの……」 だから、 「恥ずかしくて、胸がむずむずする……」 心がくすぐったくて、だけど嬉しい自分もいて。 そんな自分が気持ち悪く感じて「うあー」声をあげると、クスッと笑い声がもれるから、おもむろにチラッと目線をあげると。 「高野さんの反応がなんか新鮮で、可愛いなぁ」 心からの自然な笑いに見えて、言葉と表情で胸を撃ち抜かれそうになった私。 「もうっ、ストップストップ!」 かかとをうんと伸ばして距離を縮めると、彼の口を手で覆った。 それ以上その口が変なことを言わないように静止をかけたのだ。 「ふぁんふぇふか?」 困惑したように私を見つめる真っ直ぐな瞳と、ぶつかった。 彼は『なんですか?』と尋ねる。聞こえた言葉に「だって…」と口ごもりながら目線を逸らしたあと。
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