02.「俺と取り引きしませんか?」

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短く言葉を切ったあと、だから、と続けると、 「信じてください。それと自覚してください。自分が可愛いってことを」 次々と甘い言葉のコンボを繰り広げられた私は、顔から火を吹いてしまいそうで。 選択を早まってしまったのかとすでに後悔してしまう。 だって、 恋愛上級者ならぬ恋愛マスターである城戸くんは、七つも年下で。そんな歳の離れた子に恋愛を教えてもらうなんてさすがにやばい、と自覚した途端、怖気付いて、 「やっぱり……」 口を開くけれど、 「一つ忠告しておきます」 と、矢継ぎ早に現れた言葉によって私の声は遮られる。 なんだろう、そう思ってゴクリと息を飲むと、 「今さらやめるなんて言われてもダメですからね」 「えっ──!」 「一度決めたことは、ちゃんと最後までやり通す。それが村井さんなんですもんね?」 ニコリと微笑んで優しいことを言っているように聞こえるけれど、私には脅し以外には聞こえなかった。 それに気になることがあって、 「……最後までやり通すって、なに?」 私、そんなこと言った覚えなんてないけど。
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