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短く言葉を切ったあと、だから、と続けると、
「信じてください。それと自覚してください。自分が可愛いってことを」
次々と甘い言葉のコンボを繰り広げられた私は、顔から火を吹いてしまいそうで。
選択を早まってしまったのかとすでに後悔してしまう。
だって、
恋愛上級者ならぬ恋愛マスターである城戸くんは、七つも年下で。そんな歳の離れた子に恋愛を教えてもらうなんてさすがにやばい、と自覚した途端、怖気付いて、
「やっぱり……」
口を開くけれど、
「一つ忠告しておきます」
と、矢継ぎ早に現れた言葉によって私の声は遮られる。
なんだろう、そう思ってゴクリと息を飲むと、
「今さらやめるなんて言われてもダメですからね」
「えっ──!」
「一度決めたことは、ちゃんと最後までやり通す。それが村井さんなんですもんね?」
ニコリと微笑んで優しいことを言っているように聞こえるけれど、私には脅し以外には聞こえなかった。
それに気になることがあって、
「……最後までやり通すって、なに?」
私、そんなこと言った覚えなんてないけど。
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