二章

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 とはいえこれはチャンスだ。近づくべき相手から勝手にこちらに来たのだから。活かさない手はない。僕はふぅ……といつものルーティンをし、意識を研ぎ澄ます。目の前の彼女の色は変わらず真っ白だった。 「君ってさ友達いないの? いつも一人じゃない?」  彼女はぽかんとした表情を浮かべ、次にはてなマークを頭に浮かべた。  彼女は顎に手をやりまるで推理する探偵のようなポーズをし、実際に小声でふむ……と呟いてからあっけらかんと言った。 「まぁあんまりいないかな。てゆうかそもそも吉田くんだって同じようなもんじゃないかよぉ」  彼女の色は変わらない。つまり、嘘は言ってない。僕に対する印象はまぁどうでもいい。そのまま続ける。 「そっか。それで納得したよ。友達があんまりいないからわざわざ僕のところに来たの?」 「なにおう。まぁそんな感じだけどさ」  相変わらず白い。 「家、こっちなの?」 「そうだよ」  白い。 「さっきから気になってたんだけどさ、なんで睨んでるの?」 「いや…………元々こういう顔だよ」 「じゃあ特殊能力?」 「えっ………………ちがうよ」  言われてドキッとした。なんで、分かったのか。彼女の次の言葉を緊張しながら待った。彼女は意地の悪そうな笑顔を浮かべて言った。
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