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どれくらいの時間が経ったんだろう。
動く事なくずっと抱き締めてくれていた福士さんのお腹辺りから顔を離せば、ブレザーが濡れているのがわかる。
「ご、ごめんなさ「大丈夫だよ」」
視線を合わせればニッコニコ笑ってる。
「会長、本当に美琴の事好きだから」
またツキンと胸が痛んだけどずっと笑顔の福士さんが頭を撫でてくれた。
「その顔じゃあ教室に戻れないだろうし、早退。俺が先生に上手く言っといてあげる」
「………ありがとうございます」
「うん、荷物は……詩音ちゃんに預けておくね」
「はい…」
授業が終われば皆が降りてくるだろうし、庭園だから部活でも使うはず。
今は福士さんの言葉に甘えようと言われるがまま立ち上がり一礼してその場を後にした。
「………………あんな顔、俺なら………」
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