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「美琴?」
背後から部屋に入っていったはずの隆二の声がする。でもその声はいつもの様な甘い様な優しいさはなく、少し呆れ混じりの疑問で。
その一言にもぐるぐる頭を悩ませる。
謝ろう。隆二がこんな態度や行動を起こすって事は怒っている、もしくは呆れているから。謝ればきっと許してくれる。
でも、どうやって。
理由も分かってないのに謝って許してくれるわけがない。何を思っての謝罪かなんて聞かれれば答えられない。そうなれば適当に、その場凌ぎのために謝られてると思われてしまう。
そんな事を考えていると肩にずしりと重たさを感じ、体を後ろを見る様回されれば、勿論そこには隆二がいる訳で。一瞬あった目は見開かれていた。
「美琴?どうし………え、ちょっ、美琴!」
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