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長い長い授業を終え、昼休み。
ほんっとうに長かった。
隣の席の尚君は授業、休み時間問わず永遠に話しかけてきた。先生も注意したらいいのに…と、思ったが誰一人として注意をせず、見て見ぬふり。周りの生徒は苛々しながらこっちを見てくる。もう、色んな面で疲れた。
「お疲れ」
「……助けてくれなかった」
「巻き添えごめんだからね」
「本音出てますよ詩音さん」
まったく謝罪感が感じられないけど、詩音だから…。
「ご飯持ってきた?」
「…食堂の予定」
「会長、今日だめなんだ」
「忙しいみたい」
「そっか。なら僕も食堂にしようかな」
「えっ!本当!」
「出遅れたからもう購買に残って無さそうだし」
お昼は大体購買で済ます詩音が食堂についてきてくれるなんて…購買に良いものが無くても食堂には絶対足を踏み入れない詩音が…
「今日販売開始のシェフ特製ショートケーキを吟味しないと」
「……動機が不純でも一緒についてきてくれるなら嬉しいよ!」
うん、そうだよね。
僕の為ではないよね。
流れそうになった涙を我慢して遅れながらも食堂へと向かった。
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