嵐がやってきた

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〜食堂前〜 すっごい長旅だった…。 ここまで来るのに色んな生徒に挨拶され、話しかけられて足止めされた訳でもないのにかなり時間が経っていた。 隣の詩音なんて、見て。鬼の形相。 お腹空いてるから余計に機嫌が悪いみたい。 「何してるの、行くよ」 「う、うん」 スタスタ歩き食堂の扉を開けると、そこには何百もの生徒が。 構わず真ん中を歩く詩音、その隣を歩く僕。 周りはあんなに賑わっていたのに、シンと静まり返る。 何で静かになったかと言うと、昔詩音と二人で食堂へ来た時、詩音のあまりの美人っぷりにみんなが声援をくれたんだけど、お腹空いて苛々してる上に周りが騒がしいとなると、そりゃ、詩音ですから?ブチっとなったわけで………「うるせぇんだよ。ご飯中叫ぶな行儀の悪い」と一言。 もう、怖いのなんのって。 隣で漏らさなかっただけでも褒めて欲しいレベルだったよ。 と、まぁ、そんな過去がある訳で、今こうして詩音様がいるから静かなんだよ。
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